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 クリーン電源 SILENT CLEAN SUPPLY
  SPS−2130開発ストーリー(前編)


1.大出力パワーアンプからいきなりポップノイズが・・・

開発者である私は現在50代ですが10代からオーディオ好きで当時街のオーディオセンターには高校時代からお客様台帳に名前があったほど。
社会人になって給料の殆どをオーディオに費やす日々。部屋も床から壁にいたるまで音響効果を考え改造したり、「自作」派でラックスキットの真空管アンプ2台、スピーカーはフロントロード、バックロード、モニターなど10本以上を制作、友人の石材店に御影石をスライスさせてはハウリング対策アナログプレーヤー制作など、とにかく独身時代はやりたい放題でした。
よくある話しですが、結婚を機にオーディオ機材は邪魔者扱い。子供は必ずと言って良いほど高価なスピーカーのセンターをへこます(泣)
オーディオから一時遠ざかって20年、今再び小さなシステムでオーディオ再燃するも、家庭に持ち込むのはもはや困難で事務所に配置しました。
機器類は80年代が多く、それらをオーバーホールをして再構築し、スピーカーはなんと20代の一番最初に作ったフロントロードの「箱」を使い(箱は古くても使えるものですね)フルレンジをユニット交換して微調整で再構築した。
そんなある日、スケールの大きな音が魅力だったラックスマンM-4000A(180W×2)で気持ち良くジャズを聞いていたら、スピーカーからいきなり「パチンッ!」という大きな音が・・・
※決してこのアンプがノイズを拾いやすいという意味ではありません、ただ一般的に年代物のアンプの方が現代アンプより拾いやすい傾向にあることは確かです。
右写真のようにCDP直結で使っていましたので驚きました。
自宅とは違い、会社のある場所はいわゆる工業地域であり家庭では殆ど使っていない様な古い電化製品も使っている環境です。
このポップノイズは結局何が出しているのかは分からないまま。
しかし今日は調子がよいと思って聞いていると、またパチンとくる。
超ド級のアンプともなると、やはり音楽どころでは無くなってスピーカーの心配までしてしまう始末です。
私は製造業で物を作るのは得意な方ですが、オーディオ機器などもメカ部分なら自分でメンテしてしまいますが、内部の回路となるとエレクトロニクスの高い技術をもち、なんでも話せる社長仲間がいまして、彼に相談するしか方法はありませんでした。
もちろん年代物のアンプまで完璧に修理できるヤツでして、その後二人三脚でまずはこのポップノイズ問題を解決する道具を作り始めたのがきっかけでした。
きっかけとなったポップノイズ問題当時の機器
ポップノイズ問題の時の使用機器

2.電源改善機器はなぜこんなにも高価なの・・・

事務所ですのでお客さんによく「何やってるの?」と聞かれる日々
はっきりしていることは、原因は確実に「電源からまわってくるノイズ」だということだけでした。その証拠に、その友人の事務所にもオーディオ機器があり、早速M-4000Aを持ち込んで使ってみてもらうことにしました。
彼のところはどちらかというと市街地、いわゆる住宅街で200Vを使う企業は少なく、彼の会社の横に立っている電柱は彼の会社専用のいわゆる「マイ電柱」に近い状態です。交流の波形をくらべてもあまり差はないのですが、おろらく電源そのものが私の環境に比べて綺麗な状態なんですね。
1週間くらい朝から夕方まで軽く音楽を流して使ってもらっても結局ポップノイズは再現せず、電源がいかにオーディオ機器に影響あるかを再認識する結果となったのです。

マニアとして、そんな問題を改善する商品として俗に「クリーン電源」と言われる機器が世に存在することは知っていました。しかし改めてその価格帯を見るあまりに高額なことに驚かされました。容量が1KWを超えると軽く数十万円が当たり前の世界なんですね。
もちろん価格だけでは言えませんが、総額が数百万を超えるシステムを使っていたとして、もし財布にも余裕があればもちろん高級品を使うにこしたことはないのかもしれませんが、オーディオを楽しむ環境は実に様々であり、集合住宅で楽しんでいる方も多い点からも、重量級の安定化電源や高熱を出す高級品のみがベストとはいえないと感じたのです。

また電源回りの製品がネット上では賛否両論なのも分かりにくくしています。例えば「電源波形を綺麗にしたらこんなに音が良くる」という話しになるので「胡散臭い」と言われたり、コードを変えた方が効果があるなどの論議になるのだと思います。もちろん高級品も試してみたい気持ちはありますが、さすがに60万以上のクリーン電源、30万を超える電源ケーブルや、一本7万円を超えるヒューズなどは全く庶民感覚からは手がでません。
批判するつもりはありませんが、もっと違う選択肢があっても良いのではないか?と感じてしまいます。実際に私がポップノイズで苦しんだ様に、電源問題の一番難しい部分は何が原因か判断出来ないという点なのです。意識している時に再現してくれればまだヒントもあるのですが、確認するにも現実問題、冷蔵庫やインバーターエアコン、コピー機、パソコン等せいぜい1時間くらいしかコンセントを抜いたままにしておけない。で結局元に戻して音楽を聴いているときにまた「パチンッ」とくるのですから本当に困ったものでした。さらに分からないのは自分の会社で発生しているノイズなのか、周辺の建物で出ているノイズ源の可能性だって否定できないのです。それほど電源の問題は「範囲の広い問題」だと考えています。音質が云々の前に、実際電源ノイズがオーディオライフに支障を来すことがあるわけで、問題解決を最優先にしていけば話しはすっきりすると考えました。話しは開発に戻りますが、バリスタとノイズフィルターの投入により簡易的な道具が完成し、このアンプに関する「ポップノイズ問題」はほどなく解決しました。しかしその過程の中で、様々なノイズについての研究や実験は大変興味が湧きましたし次の新たなる課題へと向かっていきました。

そして「同じ悩みをもっているオーディオファン向けの新たなクリーン電源装置が出来ないか」という方向へ開発がスタートしたのです。かくして私の事務所はまるで夏休みの研究状態になっていきます。最初はとにかく色んなトランスやフィルター類の特性を調べました。もっていたスペクトラムアナライザーの感度が、残念ながら年代物で非常に悪いことから通常の電源自体の差を観察出来ず、勢いいろんな電化製品、本業で使う溶接機まで引っ張り出し、どんな製品がどんなノイズを出しているのか、またその帯域はどのあたりの周波数に出ているのかなど、追求すればするほどこの「電源のノイズ」という存在は奥が深いものだということが分かってくるのです。またその過程で、あくまで有る程度の「ハイエンド機器」の話しになるかもしれませんが、日本のオーディオ機器はいかに高性能で高い対応力を持っているかという点についても再認識し驚かされた次第です。
実験、カットアンドトライの連続
地元大学研究室まで本体・アナライザーを持ち込んで相
大学機関の実験室
これはほんの一部で本当に色んな部材を試してみました
ノイズフィルターの選定は特に念入りに行った

3.アクティブ型かパッシブ型か?

クリーン電源装置は大別して2種類有り、簡単に言えばアクティブ型AC100を一度信頼性のあるDCに変換し、オーディオ的には有利とされる60Hzの正弦波を作り出して、オーディオ機器用に出力するという方式や、中には高級アンプ同様にNBFで修正する物まで、その辺になるとかなりの物量投入を必要とするので一般的には高価で重量級になるのは当然かもしれません。
それに対してパッシブ型は、主に並列回路を基本にノイズフィルター(コモンモードチョークコイル・コンデンサーでハイカットする)により機器の誤動作を防ぎ、高周波の影響により発生する不要なノイズを取り除く。またはアイソレーショントランス(1次巻きトランスではなく絶縁した状態の2次巻きトランス)を用いて、低周波ノイズを軽減する。医療用機器では一番分かりやすい感電防止のトランスとしても有名です。またオーディオ的にはコモンループノイズ(同一電源から複数台のオーディオ機器が稼働することでループ反応から発生するノイズ)を解消する役割も果たします。二者択一で考えたとき、パッシブ型の組合せは比較的安価に制作出来るタイプであるということになります。
※ここで述べる見解はあくまで開発者の私的なもので、製品としての善し悪しをどのタイプが優れている等と評価するものでは有りませんのでご了承下さい。

よく見かけるクリーン電源の解説に登場する、電源の波形が綺麗かどうか、比較する画像をみかけます。通常は正弦波の頭の部分が多少つぶれているのが一般的な商用電源であり、私の事務所の電源も実際の波形はそんな感じでした。ではオーディオ機器の実機において、綺麗な波形が綺麗な音を出すかではなく、逆に綺麗ではない波形はノイズを増やすのか?、それは再現するか?という視点から色々と観察してみました。
以下、当社ADVANTEST社製デジタルスペクトラムアナライザー TR9404で見た4つの波形をご覧下さい。

@事務所の商用100V 50Hzの波形
通常は山の頂点が少し変形している
右の写真を見ていただくと分かるように山の先端部分が上下共に少し変形しているのが分かると思いますが、いろんな場所で波形を見るとこの程度の変形は結構きれいな方だと思います。ではこの波形が「綺麗な正弦波」を描けばさらに音質が良くなるかどうかは実際高級な「パッシブ型クリーン電源」を持っていないので実機視聴は出来ませんし厳密にはなんとも言えないところです。
しかしこの4つの波形について実際音楽を視聴し、あくまで個人的な主観によるものですが、事務所の普通の波形と、これから紹介する他の3つの波形、それぞれ耳でノイズを聞いてもその違いは全く分かりませんでした。
また耳だけではなく、あの微細な違いもメーターで確認できるミリバル計でも4種類の波形によるアンプのスピーカー出力から出る残留ノイズの電流に変化は全く見られませんでした。
それではクイズではありませんが、これから紹介する右画像のそれぞれの波形をもつ電源が一体何で作られた電源か?を皆さんも興味をもってご覧下さい。
それぞれ写真で分かるように紹介いたします。私の地域は柏崎です、ABは中越沖地震で被災した時に大変生活上役に立ちました(笑)
壁コンセントスペクトラム
A車のバッテリー用DC/ACインバーター まるで子供の凸型ブロックの様な3段波形
DC/ACインバーター DCインバータースペクトラム
Bガソリンエンジン式家庭用発電機 ノコギリかゴジラの背中の様なギザギザ波形
ガソリン式発電機 発電機スペクトラム
C当社のWEBサーバーに使っている停電用UPS アクティブ型同様に綺麗な正弦波を作り出している
パソコン用停電バックアップ

※UPSには矩形波出力タイプと正弦波出力タイプがありこれは正弦波タイプ
正弦波タイプUPSスペクトラム
※発電機でオーディオ機器を視聴するときは、もちろん長いコードリールでエンジン音が聞こえない様に事務所から離れた外に置いて稼働させました。
DC/ACインバーターについては大出力パワーアンプを駆動するほどの容量はないので中堅プリメインアンプで視聴しました。
この結果として出た結論は「日本のアンプはどの電源波形でも苦もなく正常動作をして音楽が聞ける」という事実です。
色んなソースを大音量で長時間聞き比べればもちろん差はあるでしょうが、短時間で小〜中音量で聞いた程度ではその違いは判りません。
また非常用だろうがなんだろうが、AC100Vを出していれば、電化製品はどれも実用上動くからこれらが製品として存在しているのは当然ですが、オーディオともなれば常用で使う人など勿論いません、あくまで自分自身でも「波形理論」を再確認する意味で行った観察でした。
率直に言えば、これだけ違う波形で駆動するのだから何かしらノイズを耳で感じ取れると思ったのですが期待はずれでした。
これはご参考までですが、オーディオ理論ではなく科学で「電源ノイズ」を波形により考察したホームページがあります。
なかなか消えないノイズを検証している点では参考になりましたので紹介します。引用:オーディオの科学様(電源とノイズ)

高級アンプなどは、先ず「あてにならない交流ACを整流して直流を作り主流はDCアンプとなっていますが、アクティブ型クリーン電源は、そこに供給されるAC電源を綺麗な正弦波にしてオーディオに使うという考え方です。ちなみに停電用UPS(タイプとしては正弦波タイプに限られる)は内蔵バッテリーからのDCを綺麗な波形のACに変換して停電時にパソコンなどが動くように設計されている訳で、綺麗な正弦波=良い音質を生むということであれば、「数万円のUPSを経由してオーディオ電源」にしてあげれば良い結果になるかという疑問が湧いてきます。実際このUPSの背面には無数の本格的コンセントがあり、電源コードもプラグもかなり太く高級な物が使われています。そして常にC画像のきれいな波形を供給してくれて使い勝手も良いはずです。これはあくまでネットでの書き込み等を見る限りでは、実際クリーン電源の替わりに活用している方もいることを知り驚きました。効果があるかどうかその賛否はとりあえず別として、今回の「クリーン電源開発」には最終価格を極力安価にするという命題が有るためにパッシブ型を基本に開発することにいたのです。
つまりAC→DC→綺麗なサイン波→ACというこれだけでもかなり費用がかかる、そのコスト分をあらゆる形式のノイズにも対応できる様にコストを集中させていけば、もう少し新しい発想のクリーン電源が出来るのではないかという期待も込めての開発でした。
またもう一点、アクティブ型は綺麗な正弦波と周波数を作り出すためにある程度の消費電力を必要としますし、中には周波数を作り出すためにCPUを搭載しているタイプもあり逆にデジタルノイズの発生源にならないかという懸念も湧いてくるのです。
ここで一つの仮定として、電源に起因するノイズの問題は「電源の波形」云々というよりも、他の原因による「発生源」があってはじめて顕著になるのではないかと考えることが出来ると思うのです。

話は変わりますが、私が使っているTIG溶接機(イナートガスアーク溶接機)などはその特徴とし、てアークを発生させるきっかけとして、強烈な高周波を発生させる特徴を持っていて、古いリレータイマーで動いている年代物の工業用機械など危ない話しですがすぐ誤動作をしてしまいます。
この機械は普通200Vで使いますが、100V稼働も可能なインバーター式なので、事務所に持ち込んで色んなノイズ試験をしてみました。
この高周波の強烈さは半端ではなく電源から回り込んで・・・
@パワーアンプのメーターの針は跳ね上がり、スピーカーからは「ジー!」といったノイスがスピーカーから流れる。
ACDプレーヤーは誤動作を防ぐ、あるいは回路素子の保護のためか、液晶が半分消えると同時に電源も落ちてしまう。(再投入で一応復帰)
Bアナライザーでの周波数分布は可聴帯域からさらに100KHzまで広範囲に発生し、しかもなんと空中からも飛んで回っている。

どんなに綺麗な波形を作る装置であっても、これらの侵入と影響を受けない構造にするのはなかなか容易ではなくその点では「万能」ではないとも感じました。
後に紹介する実験でも、実際この高周波に一番威力を示したのが当社の実験では「絶縁トランス」でした。
本機では特に音の入り口側を重視しました。様々なノイズが入り口側の機器に例え微量であっても侵入した影響は、その後パワーアンプ・プリメインアンプでそのまま増幅されてしまう訳で、一方出口側機器は入り口側機器から受け取る「音楽信号」と「ノイズ」を区別することは不可能であり、そのまま忠実に増幅されていくことで雑音として聞こえたり、本来は微細レベルの音楽信号がノイズに邪魔をされて音として耳に届かないという現象が起きると考えられます。
また時代が進むにつれて、もう一つ手強いノイズとしてインバーター機器や旧式のパソコン等から発生するいわゆる「スイッチングノイズ」が増えていく傾向にあり、これを解消するために当社独自のもう一つの開発が、その存在意義を発揮することになっていきました。
後編で詳しく紹介する「ノイズを変換し吸収する」という当社独自の理論HIGH POWER MAGNET CIRCUITへの取り組み経緯は正にそこにあったのです。

続けて開発経過を公開していますので、さらに興味のある方ご覧下さい→開発ストーリー(中編)
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